日・チュニジア関係2023
【日・チュニジア外相会談】
2023年9月5日、林芳正外務大臣は、ナビール・アンマール・チュニジア共和国外務・移民・在外チュニジア人大臣(H.E. Mr. Nabil Ammar, Minister of Foreign Affairs, Migration and Tunisians Abroad of the Republic of Tunisia)と会談を行いました。
冒頭、林大臣から、日本とチュニジアは、長い二国間関係の歴史を共有し、特に経済面や文化面での交流を通じて友好と信頼を育んでおり、両国の関係を更に発展させていきたい旨述べました。これに対し、アンマール大臣からは、経済面に加えて政治面でも協力を強化していきたい、チュニジアに対する日本の長年の協力に感謝する旨述べました。
また、林大臣から、チュニジアから多大なる協力を得て、昨年のTICAD 8を成功裏に開催できたことについての謝意を表明するとともに、二国間の対話を通じて、テロ・治安対策やビジネスといった幅広い分野においても協力関係を一層発展させていきたい旨述べました。これを受け、アンマール大臣から、あらゆる分野で協力関係を更に発展させたい、TICAD 9の成功に向けて協力を惜しまない旨を述べました。
両大臣は、先月24日の弾道ミサイル技術を使用した発射を含む北朝鮮情勢やウクライナ情勢、パレスチナ情勢などの地域・国際情勢について意見交換を行い、国際社会の諸課題について連携して対応していくことを確認しました。
チュニジア共和国訪問(6月15日~17日)
山田賢司外務副大臣は、6月15日から17日にかけて、チュニジア共和国を訪問しました。
1)ナジュラ・ブデン首相への表敬
16日(現地時間)、山田副大臣は、ナジュラ・ブデン首相(H. E. Mrs. Najla Bouden、 Head of Government of the Republic of Tunisia)を表敬しました。
双方は、両国の関係が、1956年の外交関係樹立以降、良好であり続けていることを歓迎し、コロナ禍の収束に伴い、両国民の活発な往来を通じて両国の友好が一層深まることへの期待を示しました。また、山田副大臣は、日本としてチュニジアの経済・財政状況を注視している旨述べた上で、チュニジアが必要とする改革の実施を後押しするため、引き続き、国際社会と連携して支援していく考えを表明しました。これに対し、ブデン首相からは、これまでの日本からの支援について謝意が表明され、幅広い分野において日本との協力関係をより深めていきたい旨の発言がありました。
(2)ナビール・アンマール外相への表敬
同日(現地時間)、山田副大臣は、ナビール・アンマール外務・移民・在外チュニジア人大臣(H. E. Mr. Nabil Ammar、 Minister of Foreign Affairs、 Migration and Tunisians Abroad of the Republic of Tunisia)を表敬しました。
双方は、昨年チュニジアで開催されたTICAD8を契機に高まった二国間関係強化のモメンタムを活かし、両国の協力関係を一層発展させていくこと、特に両国の経済関係を強化してくことで一致しました。さらに、山田副大臣から、ウクライナ情勢等に関するG7議長国としての日本の立場・取組につき説明しました。
(3)第11回日本・チュニジア合同委員会の開催
同日(現地時間)、チュニスにおいて、第11回日本・チュニジア合同委員会が、山田賢司外務副大臣を日本側団長、ムニール・ベン・レジバ外務大臣付国務長官(H. E. Mr. Mounir BEN REJIBA, State Secretary to the Minister of Foreign Affairs in charge of Foreign Affairs)をチュニジア側団長とする両国代表団の間で開催されました。日本・チュニジア合同委員会は、1984年に創設された両政府間の政治協議の枠組みです。1985年以来、東京とチュニスで交互に定期的に開催されています。
今回の会合では、二国間関係全般、地域情勢及び国際場裡における協力等について、活発な意見交換が行われました。二国間関係のセッションでは、要人往来の活発化及びチュニジアが進める経済・財政改革への支援に焦点が当てられました。この中でチュニジア側は、今年1月に署名された円借款「社会保護強化支援計画」に対する第1回目ディスバース(104億円)が実行されたことに感謝の意を表明しました。双方はまた、チュニジアでのビジネス環境の改善を図り、貿易・投資の促進を目的とする二国間ビジネス促進委員会の設立を通じて、両国のビジネス関係の更なる拡大に向けて両国の官民双方で緊密に連携してくことを確認するとともに、気候変動対策のための二国間クレジット制度(JCM)合同委員会の設置を歓迎しました。
地域情勢及び国際場裡における協力のセッションでは、山田副大臣から、G7広島サミットの成果を説明すると共に、双方は、中東和平、リビアやスーダン情勢を始めとする中東・アフリカ情勢、中国や北朝鮮を始めとする東アジア情勢、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)、核不拡散・核軍縮及び国連安保理改革などについて、活発な議論を行いました。
(4) チュニジア日本商工会議所と意見交換
同日(現地時間)、山田副大臣は、チュニジア日本商工会議所(CCITJ)本部を訪問しました。訪問中、山田副大臣はCCITJのベンアベス会頭をはじめ、CCITJ理事会メンバーや会員企業と意見交換を行い、特に昨年のTICAD8以降、日本企業とのビジネス促進に対するチュニジア企業の期待が高まっていることについて言及しました。また、両国間の経済関係をさらに発展させるための方策について意見交換を行いました。
(5)チュニジアに拠点を置く日本企業との意見交換会
同日(現地時間)、山田副大臣は、チュニジアに進出する日本企業関係者と懇談を行い、日本企業のニーズや経済交流を一層促進するための課題について聴取するとともに、二国間経済関係の更なる発展のための方途につき意見交換を行いました。
(6)チュニス日本庭園訪問
同日(現地時間)、山田副大臣は、チュニス日本庭園を訪問しました。この庭園の建設は、2004年に森喜朗元総理大臣によるチュニス訪問をきっかけに決定され、2006年、日本とチュニジアの外交関係樹立50周年を記念して開園しました。昨年、TICAD8の期間中に改修工事が行われ、現在、日本の協力ボランティアがチュニスの自治体とともに庭園の維持管理を行っています。
【ブラヒム・ブーデルバラ国民代表議会議長表敬】
2023年6月7日、大菅大使はブラヒム・ブーデルバラ国民代表議会議長を表敬訪問しました。
会談の中で、大使は議会再開とブーデルバラ議長の議長就任に祝辞を述べました。ブーデルバラ議長は、
2022年夏に開催されたTICAD8について触れ、両国関係の強さを示すとともに、二国間及びアフリカ協力の新たな道を切り開いたと述べました。両者はまた、法の支配の重要性と、議会交流や多くの二国間協定や投資プログラムを通じて両国の友好関係を強化することへのコミットメントを確認しました。
【アンマール外務大臣表敬訪問】
2023年3月6日、大菅大使はナビール・アンマール外務・移民・在外チュニジア人大臣を表敬訪問しました。
会談では、両国間の長年にわたる二国間関係を強調し、第8回アフリカ開発会議(TICAD8)の成果に対する協力とフォローアップについて話し合いました。
【令和4年度天皇誕生日祝賀レセプションの開催】
3月9日夜、大菅大使はチュニス市内のフォーシーズンズ・ホテルにて天皇陛下の63歳の誕生日を祝うレセプションを開催し、寿司、天ぷら、その他の料理、日本酒などの日本料理をゲストに提供しました。
サイード経済計画大臣、ムラービト保健大臣をはじめとするチュニジア政府高官、在留邦人の皆さま、各国大使、民間企業、学術、文化、スポーツなどチュニジアと日本の友好関係に貢献されている方々のご参加をいただきました。